このお人形さん、まるたが物心ついた時から小林家に飾ってあった。
男の子は草履の鼻緒が切れて、シクシク泣いている。
それを、心配そうに見上げているワンちゃん。
おそらく飼い犬だろう・・。
まるたは幼い時から、なんとなくこのお人形さんが好きだった。
亡き父(三代目)の時代は、酒が売れなくて苦しい時代だった。休む暇もなく働いていた父。
出張も多かった。
これは、家で奮闘している母のために寂しい懐の中から父が買ってきたものの一つである。
なんとも、ほのぼのする・・・。
あれ?なんか違和感・・・。
今朝、掃除をしていて気が付いた・・・。
せっかくの、ほのぼの犬が意地悪犬になっていた。
「けっ( 一一)なに泣いてんだよっ。早くかえるぞ・・・。」
そんなはずはない・・・。
そんなはずは、ないけれど若干意地悪に見える・・。
すぐさま基本形に直した、まるたである・・・。